Sun time



なのに私は…。


考えても答えはでない。
まず私にできるとこは葉月の手助けだ。

今の葉月は辛そうだ。

手を差し伸べた真子をあんな風に睨みつけるなんて…まるで何か恐ろしい幻覚でも見ているようだ。






「どうしたの? 葉月‼︎」




私は葉月の肩にそっと手を置いた。



葉月はハッとしたように周りを見渡す。



「ごめん…美琴…。何でもない。 私疲れてるんだわ…。ちょっと保健室に行ってくる。」



「は、葉月? 私も着いて行くよ‼︎」


真っ青な顔。不安定な足元。



心配だ。誰かが支えてあげなければ今にも倒れてしまいそうだった。





「美琴ちゃんは実行委員長でしょ?
私が行きます‼︎」



そうだ…。私実行委員長だ…。


真子が心配そうに葉月の方に歩み寄る。
そんな真子をまた睨みつける葉月。



葉月…どうしちゃったんだろう。


あんな葉月は長い付き合いの中でも初めて見た。


真子と何かあったとしか考えられない。



でも…真子が葉月になんかするかな?
もし真子が葉月に何かするところが想像できない…。
でも真子が何かしない限り葉月はあんな風に怒ったりしない。


考えてもどうしてもわからない。




真子は葉月の方に歩く…そして葉月に耳打ちをした。



何を話しているかのか…。

声が全く聞こえなかった。

だが葉月の様子は明らかに変わった。




「美琴…私真子ちゃんに付き合ってもらうよ…。」


ぎこちない笑みを私に向ける葉月。


「葉月さん大丈夫ですか?
私に捕まって‼︎」



「ありがとう…真子…。」


葉月は真子にも笑みを向けた。

さっきとは全く違う。



だけど…葉月の笑顔は何処か辛そうだった。

私はそんな葉月を見ていると胸が痛んだ。









< 46 / 49 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop