Sun time
5月。
春の風が優しく頬を撫でる。
「お母さん‼︎行ってきます‼︎」
私は元気良く玄関の扉を開ける。
「行ってらっしゃいっ!」
母が見えなくなるまで私は手を大きく振り続けた。
「すーーはぁ‼︎やっぱり春はいいなぁ‼︎」
息をめいいっぱい吸い込み私は思いっきり反動をつける。
そして思いっきり地面を蹴った。
私は全力猛ダッシュで走る。
中学の頃はバスケ部に、所属してたからか足腰は強いのだ。
流れる景色。そう遠くもない学校までの距離、もうこの道も慣れたものだ。
なんだか今日は不思議な気持ちだった。
嬉しいというわけではないのだが、フワフワとした気持ちになる。
なぜか楽しい。だけど少し寂しい。なんとも言えない気持ちだ。
まぁ、気のせいだろうけどね‼︎
いつも通り下駄箱から上靴を取り出して教室に向かう。
「はぁはぁ…」
息を整えて教室のドアを開ける。
お母さんが連絡してくれたから
遅刻でも恥ずかしくない。
少し自慢げに胸を張って教室に入る。
なにも自慢できることなんてないんだけどね…‼︎そこは気にしない‼︎
「おはようございます!!先生‼︎」
「おー相楽。お母さんから聞いてるぞ。早く席につけ。」
「あ、はい‼︎」
お母さんパワーはすごい。
いつもだったら大声で罵倒されてるとこだったよ。
そしていつも通り私は席についた。
ん…あれ?
違和感を覚える。