Sun time

私の隣の席は空席のはず…。



そんな空白の席には見たこともないくらい綺麗な女の子が座っていたのだ。




黒くてまっすぐな綺麗な髪。
パッチリと大きい灰色がかった黒目。
長いまつ毛。
そしてマシュマロのように滑らかな肌。
桜色のぷっくりとした唇。


女の子なら誰だって憧れてしまうような顔のパーツ。そんな顔のパーツも計算されたかのように整った位置にある。


ドールフェイスとはこのような顔のことをいうのだろう。


あまりにも完璧すぎて私はつい見入ってしまった。




くっそぉぉ‼︎同じ女とは思えないぞ!?

ハーフ?クォーター?目の色が少しだけ日本人っぽくないような?
少しグレーっぽい。


ポーっと見惚れていると…


「あ、相楽‼︎今日転校してきたんだ。仲良くしてやってな‼︎」

と先生が私に言った。



「成瀬真子(ナルセ マコ)です。よろしくお願いします。」



ニコォっと微笑む美少女、真子ちゃん。



女の私でもドキっとしてしまう。
すごい破壊力のある笑顔。
こんなの見せられたら男子とかすぐコロッといっちゃうんだろうな…。



でもこの時期に転校してきた理由はなんだろう…。
まだ入学してから一ヶ月ちょっとしか経ってないのに…。



そんな疑問もあったが深くは考えなかった。






キーンコーンカーン


授業の終わりを告げるチャイムがなった。


まぁ、私は遅刻して今日は一時間しかまだ授業受けてないんだけどね…(苦笑)



「おーい‼︎美琴‼︎」


あ…この声は…


「あっ‼︎おは…」


ペシッ…


「っ…‼︎」


こっこれは!?デコピン??


「痛い…何すんのさっ‼︎」


額を抑えながら目の前にいる
桜井葉月(サクライ ハヅキ)
を涙で潤む目で見上げた。

「あんた、今日本当は寝坊でしょ?」


「うぅ…‼︎」


図星です…。
だから何も言えなかった。


「また、"クミちゃん"と喧嘩?」


「えへへ…」

クミちゃんとは母のこと。
葉月と私は幼馴染。
親同士も仲良しなのである。



なんと‼︎小学校の頃から今に至るまで
クラスが一回も別れたことがないの。
周りからは運命とか奇跡とか言われてたり!



葉月はしっかりもので私のお姉ちゃん的存在でもある。


まぁ…私があまりにもしっかりしてないだけなのかもしれないけど…。




「クミちゃんにあんまり迷惑かけちゃダメだよ?」



「はーい…」

こうやって葉月に叱られるのも何度目だろうか。軽く100回以上は叱られている。
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