Sun time





「それにしても凄いね。転校生ちゃんの人気は。」



葉月はため息混じりで言った。




葉月は騒がしいの嫌いだもんね…。




私の隣の席の周りは人だらけ。
あまりにも人が多くて転校生ちゃんが見えない。


男子も女子も転校生に夢中だった。





「真子ちゃんってハーフ?」


「クォーターです!」


「成瀬さんはなんでこんな時期に?」


「か、家庭の事情で‼︎」


「彼氏いるの?」


「い、いません!」


質問攻めをくらっていた。



まぁ、あんだけ可愛い子が転校してきたんだからこうなるのは当たり前かな…。
でもさすがに…人多すぎないか!?

クラスの半分くらいの人が成瀬真子ちゃんの席の周りにいる。


「美琴ー。お昼どこで食べる? 教室は騒がしいから外行く?」



「そうしよっか。」



そういって葉月と屋上に向かった。







「うおおおお‼︎貸切じゃあ‼︎」

大声で叫んだ。

そんな私を呆れ顔で見る葉月。


今日は誰もいない。


まぁいつでも人少ないけど。


春の屋上は風が強いから人気がない。

気をつけないと物とか飛ばされちゃうしね…。




「「いただきまーす」」


いつも通りのお昼。



「ぎゃぁ‼︎」

お弁当をあけて驚いた。


ホカホカご飯に…梅干し一つ。



日の丸弁当だ…。


しかもおかずないし‼︎


やっぱりお母さん喧嘩のこと根に持ってたんだ。


昨日喧嘩したわりに機嫌がいいと思ったら…。

こういうことか‼︎



「あはははは‼︎良かったじゃん‼︎ クミちゃんやるな!」



葉月はお腹を抱かえながら大爆笑する。



「よくないよ‼︎」


「私の卵焼き一個あげるよ」


「おっ‼︎甘いやつ?」


「今日は出し巻〜」


「えぇ〜出し巻ぃ〜!?」


「文句言うやつにはやらん‼︎」

葉月は自分でお弁当を作っている。
いいお嫁さんになりそうだ。


いつも通りくだらない話をして笑う。
こんな普通のことが幸せだなーと感じてたり。





< 8 / 49 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop