Love*Rainbow
「これは…結衣の彼氏に作ったケーキなんだけど……
今日学校に来てからいっぱい西野くんへのチョコレートを見て
自分のケーキはちいさめだけどホールだし、自分のも食べてもらったら絶対に病気になるから
それなら自分で食べちゃおうってなったらしい……」
代わりに説明してくれたひとみ。
ゆっくり顔を上げると、西野くんは驚きを隠せないようで少し落ち込んでいるようにも見えた。
「あちゃー!それじゃあ葵、今回はしょうがないよ!」
と西野くんを諭すハルくん。
だけどそのことには一切触れずに西野くんはこう言った。
「結衣は勝手だよ。
もともと結衣のしかもらわないつもりだったし、チョコレートはメッセージとかに名前があれば返すつもりだった。
ない奴は気持ち悪いくらいチョコレート好きな姉貴にあげることまで考えてた!
もう、その残りのケーキは全部俺のだから」
そう言ってあたしからケーキの入った箱を奪うと、ついてこい!と言ってカフェテリアから出て行ってしまった。