オオカミと恐竜
(俺は一匹オオカミなんだ)

いつもひとりだったので、寂しさなんか感じません。

少なくともオオカミはそう思っていました。


たとえ森の動物たちが自分を避けていると知っていても。

(俺はオオカミなんだから)


仲良く遊んでいる、「ともだち」とかいう集団を見かけて、

なぜだか辛いような気持ちになることもありました。


でも、オオカミはいつもひとりだったので、寂しさなんか感じません。

少なくともオオカミはそう思っていました。
< 2 / 10 >

この作品をシェア

pagetop