オオカミと恐竜
「だからぁ、俺はままじゃなくて、友達なの!」

ほかの動物と接したことなどないオオカミは、

どうしても、怒ったような口調になってしまいます。

ほかの動物なら怖がって離れていったでしょう。

でも、恐竜の赤ちゃんにとっては「まま」なので、

いっこうにかまわないようでした。

「まま? ともだち? どうちがうの~?」

かわいく首をかしげます。

オオカミはとりあえず、本物のままを探すんだということだけは、理解させました。

すると……

「あっ、あれ、ままかもしれない!」

タタタっとかけていき、ひし、となにやらごついものに抱きつきます。

「見つけたか?! ……それは、岩だ。」
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