オオカミと恐竜
「がおー」

「ままー」

「ままじゃねえっつってんだろ。」

「あっ!」

恐竜をかばって、オオカミがライオンにかみつかれてしまいました。

必死でよけましたが、完全にはよけきれず、肩から血が出てきました。

恐竜の赤ちゃんはしくしくと泣き出しました。

「……痛ってえなあ。」

オオカミは、不思議な力が湧いてきたことに気付きました。

今までの、狩りやなわばりあらそいでは湧いてこなかった種類のパワーが、

怪我をした傷口から、ふつふつと熱くなっていくようでした。

「オオカミと恐竜をなめんな? ちびすけ!」

オオカミは、背後にいる恐竜の赤ちゃんを呼びました。

「う~。なに?」

「こういうときにおまえを守ってくれるのが、母ちゃんだ。」

「うん……」

「一緒に戦うのが友達!」

「うん……」

「だからおまえは俺と一緒に戦うの!オラ!なんかやれ!」

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