先生がくれた「明日」
教室で荷物をまとめながら、瑞紀が言う。



「莉子と先生って、なんか似てるよね。」


「え?そう?」


「うん。なんかね、気付いたら何でも話してるの。……受け止めてもらえるって、思うからかな。それにね、二人とも、自分のとこよりも人のことばっかり考えてて、うん。やっぱり似てる!」


「私、そんなすごい人じゃないよ。」


「ううん、そうだってば!」



そう言われて、なんだかすごく、嬉しかった。

先生みたいな人になれたらいいって、心から思った。



「じゃあ、またね!」


「うん!また明日!」



また明日、って言い合える関係。

次の日も、その次の日も。

ずっと続いていく関係。


瑞紀が求めているものは、きっとこれだったんだね。


魔法のように明るく笑うようになった彼女は、きっともう、道を踏み外したりしない。

そう思った。
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