先生がくれた「明日」
それからというもの、私は先生に守られるように先生の実家でバイトをして。
その収入で、何とか生活を支えていた。
相変わらず貧乏だけど、もう二度と、法に触れるようなことはしなくて済むように。
そうしてくれたんだ、先生が。
「莉子ちゃん、これ、持って帰って!」
「え、でも!」
「いいの。今日の売れ残りだから。押しつけるようで申し訳ないけど、貰ってくれる?」
「いいの?」
「ええ!」
お姉さんは、にっこりと笑う。
私は、有り難くそれを両手で受け取る。
いつもいつも、こんなふうに売れ残りの商品をくれるんだ。
それが、どれほど嬉しいか。
いつも、毎日の食事だけで精一杯で、間食なんてしなかった。
だから、甘いもの、というだけで私の胸は高鳴る。
それは歩も同じで。
「ただいまー!」
「莉子姉おかえり!ねえ、今日はバイトだったんでしょ?」
「そうだよ!ほら!」
「わあーっ!」
目をキラキラさせる歩に、お姉さんから貰った包みを渡す。
「今日は、おまんじゅうだね!カステラもある!」
「待って歩。ごはん食べてからだよ!」
「うん!」
歩はいつも、我が儘なんてひとつも言わない。
小さいのに、色々分かっているんだ。
そんな歩に、少しでも楽をさせてあげたくて。
私はその頃毎日、深夜まで勉強に励んでいた。
その収入で、何とか生活を支えていた。
相変わらず貧乏だけど、もう二度と、法に触れるようなことはしなくて済むように。
そうしてくれたんだ、先生が。
「莉子ちゃん、これ、持って帰って!」
「え、でも!」
「いいの。今日の売れ残りだから。押しつけるようで申し訳ないけど、貰ってくれる?」
「いいの?」
「ええ!」
お姉さんは、にっこりと笑う。
私は、有り難くそれを両手で受け取る。
いつもいつも、こんなふうに売れ残りの商品をくれるんだ。
それが、どれほど嬉しいか。
いつも、毎日の食事だけで精一杯で、間食なんてしなかった。
だから、甘いもの、というだけで私の胸は高鳴る。
それは歩も同じで。
「ただいまー!」
「莉子姉おかえり!ねえ、今日はバイトだったんでしょ?」
「そうだよ!ほら!」
「わあーっ!」
目をキラキラさせる歩に、お姉さんから貰った包みを渡す。
「今日は、おまんじゅうだね!カステラもある!」
「待って歩。ごはん食べてからだよ!」
「うん!」
歩はいつも、我が儘なんてひとつも言わない。
小さいのに、色々分かっているんだ。
そんな歩に、少しでも楽をさせてあげたくて。
私はその頃毎日、深夜まで勉強に励んでいた。