先生がくれた「明日」
開始の合図とともに、試験が始まった。

問題はどれも、見たことのあるものばかりだった。

私はすらすらと鉛筆を走らせながら、さっきの光景を頭の中から追い出そうと必死だった。




先生。


私の胸に沸き起こった、悪い予感を否定してよ。


きっぱりと、違うって言って。


明日は、先生にもあるんだって、そう言って―――




気付いたら、大半の問題は解けていて。

私は、そっと鉛筆を置いた。


とりあえず、一次試験を突破したことを祈りながら。
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