先生がくれた「明日」
第2章 新しいバイト

喫茶店にて

その頃の私は焦っていた。

学校にも普通に通い、勉強も人並みにして、それから新しいバイトを探していたんだ。

自分でも、忙しすぎたと思う。

一人で色々、抱え込みすぎていたと思う。



だけど、頼れる人なんていなかった。



私の家は、高校から3駅離れたところにある。

駅から家までも結構離れていて、その真ん中くらいにあったのが、今まで働いていたスーパーだった。


しかし、もうそこには勤められない。

先生が来ることが分かってしまったし。



でも、私の家のまわりにアルバイトを募集しているところはなかった。

コンビニはあるけれど、そんなところだと誰に見つかるか分からない。


仕方なく、私が探し当てたのは、駅の反対側にある喫茶店だった。

隠れ家的で、先生や生徒が来る可能性は低い。

でも結構繁盛していて、人手が足りないらしい。

問題は、駅から私の家とは反対側にあるということだった。



だけど、弱音を吐いている場合じゃない。

歩いて帰るから、帰りは遅くなるかもしれないけれど。

歩には我慢してもらおう。


そして、新しいバイトの場所を決めた私。

不安がなかったわけじゃない。

だけどやっぱり、そうしないと生きていけないから。

今度こそ、見つからないようにしようと決意を固めて、私はその一歩を踏み出してしまった―――
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