私が生きた31日。
トボトボと歩いていると
人影が見えた。
こんなところに
誰だろう...。
そこに居たのは
「野口..さん?」
同じクラスの野口さんだった。
彼女は返事もしなかった。
「野口さん、何してるの?」
「....別に。」
野口さんと話すのは初めてだった。
「高橋さん、泣いてるの?」
「あ...う..うん。」
「あなただけが悲しいんじゃないのよ。」
「...えっ?」
「人はね、悲しい時は涙が出ないの。
苦しいくらい、死にたいくらいに追い詰められるの。...私みたいにね...。」