今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
 俺たちは1階の談話室に入った。

 教室くらいの広さで、テーブルやいすやソファとか置いてあって、寛げるようになっている。
 接客用の部屋で、予約制らしいけど、空いていればすぐに使えるらしい。


 こんな遅い時間に客なんてめったに来ないだろうし、中には誰もいなかった。



「僕、ココアがいいな」

 歩夢は部屋に入るなり、飲み物をねだる。

 
「はい、はい」

 これもいつものこと。
 俺はカップ式の自販機からココアを2つ持って、すでに席についていた歩夢の前に置いた。

「ありがとう」

 こういうときにはものすごく素直。


 カップを手にして息を吹きかけて、ひとくち。口に含んだ歩夢。

 その何気ない仕草だけでも絵になる。
 今どきのアイドル系の顏。
 少年の中に少女が同居しているような表情には、まだあどけなさが残っていて、中性的な顔立ちを引き立てている。

 
 かわいいよな。

 外見だけ見ると、弟にしたいくらいかわいいやつなんだけど。



 俺は歩夢の目の前に座る。


「で、何の用?」

 俺は早速、話を切り出した。
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