今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「歩夢。お前の気持ちはわからなくもないけど、悠斗じゃなくたって、狙ってるやつは他にもいるから。いちいち、目くじらを立ててもしょうがないんだよ」

「なーに、それ? 陽菜って、もしかしてモテるの?」

「そう、みたいだぞ」

 俺は大きく頷いた。



 悠斗が陽菜を送っていった次の日。


『町田さんって、航太の彼女じゃなかったっけ?』

『陽菜は友達、いつもそういってたけど?』

『ホント、まじで? 昨日悠斗のやつ、町田さんと一緒に帰ったらしいんだよな』

『じゃあ、航太は町田さんとは友達って言うのは』

『その通りだけど?』

『まじかよ。だったら早く声かければよかった。くそー。悠斗に先越された』


 みたいな会話、あの日だけでも何回したか。


 お互い友達だって言っているのに、なぜか信じてもらえなかったんだよな。
 それも、昔の話だからいいけどね。


 俺もその時初めて、陽菜って、モテるんだって知ったから。
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