今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「やっとって」

 俺はそんなに鈍感か?

 ちょっと、ムッとした顏をしてやると、

「歩夢に会った時点ですぐにわかったかと思ったんだけどな」

 ちょっと、呆れた顔で見られてしまった。


「分かるわけないだろ? まさか陽菜のスマホに手を出してるなんて思ってもいなかったし」

「なに? 歩夢がスマホいじっているところ見たとか?」

「ああ」

 俺は昨日の件を話した。
 陽菜の体重に関することまでは、さすがに話せなかったけど。

 俺の話を聞き終えた航太の目が笑っている。
 笑いをこらえているのは一目瞭然。


「ごめん。ちょっと我慢できない。笑っていい?」

 って、わざわざ、許可とか取らなくていいし。


「どうぞ」

 一応、許可出したけど。

 笑いたきゃ、勝手に笑え。

 と思ってたら、身体をくの字にしてお腹を抱えて、しかも涙まで流して……

 クラスメート達が何があったんだって、奇異の目で見ているし。


 俺は漫才師でもなんでもないんだからな。人を笑わせる才能なんて持ち合わせていないぞ。



 ホントにこいつ……ド派手に笑いやがって。

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