今も。これからも。ずっと、きみだけが好き。
「ちょっと、歩夢ってば、離して」

 陽菜は焦った声で、首に回した僕の腕を振り解こうとする。


 僕だって男だよ。
 そう簡単に逃がしたりしない。


「えー。いいじゃん、いつものことじゃん」

 抱きつくのは日常茶飯事で、騒ぐことでもないのに。
 陽菜だって、いつも抱きしめてくれるのに。

「それはそうだけど」

「ほらあ」

「でも、みんなが見てるから。いくらなんでも恥ずかしいから」

 陽菜の顔が真っ赤になってる。

 
 ここは公道で公衆の面前。

 確かにたくさんの人が行きかっていて、僕らに注目しているのはわかったけど。
 でも、僕は誰に見られても構わない。
 どこだろうとね。


 それに、それ以上のことを陽菜にしている僕としては、
 抱きしめるくらいかわいいことだと思うんだけど。


 さすがに陽菜には言えないけど。

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