BAR FINE
「お疲れ。」

と、あなたはまた少し寂しそうに笑った。

「なんで……」

途中から言葉が出ないなんてホントにあることなんだって思った。

「送るよ。」

と言って一歩歩き振り向く。

歩きながら話そうってことなのかな。

「実は昨日も夜待ってみたんだけど、出てこなかったから。入ったらいなかった。」

「そんなの、…マスターに聞けばいいじゃない。私のシフトなんて。」

「だってストーカーみたいじゃん。ってこれもストーカーみたいか。」

「でも俺、本気なんだ。本気で由乃ちゃんのこといいなと思ってるんだ。もっと由乃ちゃんと話したい。だから、…今日もタクシーで送られてくれる?」

目が真剣だった。
私は、頷いてた。
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