河童のかわたろう~生きていて欲しかった~
「一緒にするな。頭の上に水が無けりゃなんてそんなばかばかしい妖怪と…」

――水ってのは比喩だ。たとえたのは人間だ。

わかるだろ。なんとなく。何のことか。

「知るかよ。」

――誰にだって受け皿がある。みんな何かで満たしたくてうろうろさ迷ってんだ。

幸せな奴ってのは受け皿が望み通りのもので満たされてることに気づいてる連中だ。

皿があることにさえ気づかない奴もいるが。

おいらみたく頭の上にありゃ、わかりやすくていいのにな。
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