過ちの契る向こうに咲く花は
「独断と偏見で話すけれど」
鳴海さんがほんのすこし笑顔を引っ込めて口を開いた。
「たぶん君は、自分が不細工ではないことを自覚してる、ううん、もっと言えばたぶん見た目には自信とプライドがあるんだと思うよ」
痛かった。自分で認めたくない部分が外からやってくると、こうも痛いものなのか。
力の抜けていた身体に、再び緊張がやってくる。
「別にさ、それを高慢だとか恥ずかしいとか思わないよ。だけど」
そんな私に対して、鳴海さんは至って穏やかだ。どうしたらああなれるのだろうか、と思ってしまう。
「自分を否定し続けるのって、つらくないかな」
それに、と鳴海さんは続ける。
「せっかく、ご両親からもらった身体じゃない?」
そのことばが、力の入った私の身体を支配した。それ以上のことばはないんじゃないかと、思わず泣きそうになって慌てて俯いた。
鳴海さんは、穏やかになおも続ける。
「それに、巽だって君を選んだんだよ」
そのことばの深い意味はわからなかったけれど、なんとも言えない焦燥感に似た気持ちがもやもやと生まれてきたことには間違いなかった。
鳴海さんがほんのすこし笑顔を引っ込めて口を開いた。
「たぶん君は、自分が不細工ではないことを自覚してる、ううん、もっと言えばたぶん見た目には自信とプライドがあるんだと思うよ」
痛かった。自分で認めたくない部分が外からやってくると、こうも痛いものなのか。
力の抜けていた身体に、再び緊張がやってくる。
「別にさ、それを高慢だとか恥ずかしいとか思わないよ。だけど」
そんな私に対して、鳴海さんは至って穏やかだ。どうしたらああなれるのだろうか、と思ってしまう。
「自分を否定し続けるのって、つらくないかな」
それに、と鳴海さんは続ける。
「せっかく、ご両親からもらった身体じゃない?」
そのことばが、力の入った私の身体を支配した。それ以上のことばはないんじゃないかと、思わず泣きそうになって慌てて俯いた。
鳴海さんは、穏やかになおも続ける。
「それに、巽だって君を選んだんだよ」
そのことばの深い意味はわからなかったけれど、なんとも言えない焦燥感に似た気持ちがもやもやと生まれてきたことには間違いなかった。