遅咲きプリンセス。
まあ、それらのことは駿河さんの持論なので、アイドルが使っているものを見た一般女子がそれを買うのでは? という疑問や、駿河さん自身がアイドルに使ってもらいたいポーチを考えてくれてもいいのでは? と、ちょっと思ったことは、そっと胸に秘めておくしかない。
けれど私は、駿河さんのその言葉を逆手に取ることにし、アイドルも思わず使いたくなるようなデザインのポーチを考えよう、と。
そうして、ファッション雑誌や、ほかの雑誌でも、アイドルの私物公開!のコーナーを重点的に読み漁り、案をひねり出していった。
そうしていると、自ずと残業をする日も増え、また、とっくの昔に諦めた“お洒落な自分”に変身したい願望も日増しに強くなっていくのだから、私自身、そんな自分にびっくりである。
アラサーだけれど。
生まれてこの方、一度もあか抜けたことはないけれど、シュシュでも買ってみようかな……。
そんな気分だ。
そして、実際に買い、付けてみた私だ。
「お。さっぱりしていいじゃん」
「へ、変じゃ……ない?」
「じゃない、じゃない」
そんなある日のこと。
待望の菅野君から、お褒めの言葉を頂いた。