LIFE
逃げるつもりなかったのに…。
…なんで逃げちゃったんだろう。
はぁ。
「…帰ろ。」
「そんなんで帰れんの?」
「…!?」
後ろから誰かが近づいてくる。
「急に逃げるんだもん。追いかけたくなるよねっ!」
高橋君が笑って、こっちを見ている。
「あ…あの。さっきは…えっと…。」
「持つよ。重いでしょ?」
「え…?」
すると彼は私の教科書を半分持ってくれた。
「半分は持てよなー。」
「う、うん…。」
教科書全部積んで30cmくらいあるのに…。
半分持ってもらって、高橋君のは45cmになっちゃった…。
あれ…?
高橋君もカバン忘れたの…?