ああそうか、なるほど。
私はきっと変なものでも食べたんだな。
知らず知らずのうちに。

「違うよ。僕は君とずっと一緒にいたんだよ。生まれた時からずっとね。」

なんか、下手な口説き文句みたいだ。

「あは、確かにね。でも事実なんだ。」
「みんな心と向き合っていないから、見えていないだけなんだ。本当は一人に一人ずつ居るんだよ。」

私、自分の心と向き合おうなんてしてないんだけどなぁ。

「いやぁ、ごめんね。興味本位で出てきちゃったんだ。」

自我があるの?私の心なのに?

「うーん僕は変わり者みたいでさ、あるんだよね。」

それって私の心になんか影響ありそう

「ああ、大丈夫。影響はないよ。多分」

適当だね。

「そこは君譲りだよ」

うるさいな

「あは、」
「もう大分緊張も解けたみたいだね」

もう居るもんはしょうがないしね

「あは、適当だね」

まだいうか。
あ、1つ質問。

「なんだい?」

私の思っている事はあんたにわかるのに、どうしてあんたが思っている事は私にはわからないの?

「嘘をつきすぎたからさ」

嘘?私、嘘は言わないほうだけどなぁ。

「それは他人に、でしょ?自分自身にって事さ。」

どういうこと?

「自分を殺して周りと合わせようとし過ぎたんだ。結果、自分の気持ちがわからなくなっていく。」

?無理してるってこと?

「まぁそういうことだね。そんな自覚ないだろうけど。」
「しょうがないよね。君だけじゃないよ。周りのみんながそうなんだ。そうしないと仲間ハズレにされちゃうからね。」

そんな気もするね。
うん、妙に納得した。

「この世界では、自分を殺さなきゃ生きていけない。」
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