キツく抱き竦めて
□キツく抱き竦めて

01







「どうしたの。そんな慌てて」





いつもならゆっくり着替える私が走りながら更衣室に入ってきて猛スピードで着替えだした私に目を丸くする。





「実は彼氏が迎えにきてるらしくて」

「あ〜、だから急いでるんだ。良かったね」





その言葉に大きく頷いた私。


最近お互い仕事が忙しくてなかなか会えなかったから、もう3週間近く会っていない。


だから一秒でも会いたい。





「失礼します!」





短時間で着替え終え更衣室を飛び出した私はエレベーターに乗り込むと、そのまま一階でおりる。


ロビーを抜けて外に出て、周りをキョロキョロ見渡せば見覚えのある黒の四駆が見えて頬が緩んだ。


大好きな大好きな彼氏――、のりくんの車。



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