キツく抱き竦めて



――とにかく想像以上。


こんな酷い顔で総人くんと話してたなんて恥ずかしい。


全部落として、全部一からしたいと思うのに、流石にそれは時間がかかりそうで悩む。





「総人くんだから…、いいよね」





小さな時なんて化粧をしてなかったわけだし、素の私を見ても総人くんなら普通に見てくれるような。


意を決してキュッと蛇口を捻ると水が流れてきて、それを両手ですくい顔にかける。


パシャパシャと何度かしただけでも化粧は落ちているのは、私がクレンジングオイルではなく水で落ちるタイプの化粧品を好んでいたから。


タオルで顔を拭くと、そこには派手とはかけ離れている私の顔がある。


うまれた時から色素が薄い私。


だからか何も塗ってない唇は存在感がなく好きにはなれなかった。



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