キツく抱き竦めて



ファミレスに入り席に案内された私達。


すぐにメニューを広げた私とは対照的にのりくんはメニューを見ずに、何かを考えてるのかテーブルの一点を見つめている。





「のりくん…?」

「え、あ、ごめん。考え事してて」





やっぱり…、やっぱり今日ののりくんはのりくんらしくない。





「どうしたの?何か悩んでる事があるなら、私悩みでも」

「……別れてほしいんだ」





そんなのりくんのいきなりの言葉をすんなり受け入れられるはずもなく、ただ私は目を見開く事しか出来なかった。


そんな私にのりくんは。





「そういう事だから…、うん」





居心地悪そうに私から視線を外した。


何がそういう事なの?


何がうんなの??



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