キツく抱き竦めて
ポツリそう呟いた私は今日付けで元彼になってしまったのりくんとの思い出を思い出す。
のりくんと付き合ってから今年で3年目。
その間に私はあの会社に勤め、のりくんも夢だったプログラマー関係の仕事に就けた。
だから必然的に私とのりくんは擦れ違いの日々が続いてしまったんだ。
喧嘩も数えられないくらいしてきた。
でもそれ以上にのりくんと笑っていた時間の方が多かった。
「……、やだ…っ」
涙が頬を伝いそれを両手で拭う、そんな私の耳に――
「りん?」
私の名前を呼ぶ声が聞こえた。
え…っ?と私がその声の方に振り向く前に。
「どうしたんだよ!?」
その声の主が私の肩を掴んだ。