キツく抱き竦めて
「何かあったのか!?」
「総人くん…」
私の名前を呼び、私の肩を掴んだのは総人くんだった。
総人くんは5歳年上で私が中学を卒業するまでお隣に住んでいた、言わばお兄ちゃん。
心配そうに私の顔を覗き込む総人くんに、止めなきゃと思っているのに涙は止まる事はなくて、昔と変わらず優しい優しい総人くんに涙が出てくる。
何を聞いても涙を流すだけの私に総人くんは。
「俺の家、そこだから。落ち着くまで居なよ」
と私の手を引いた。
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「今、飲み物用意するから待ってて。りんは何がいい?」
「なんでもいい…」
「じゃ、ココアでもいれるよ。りんホットココア好きでしょ」