キツく抱き竦めて



「何かあったのか!?」

「総人くん…」





私の名前を呼び、私の肩を掴んだのは総人くんだった。


総人くんは5歳年上で私が中学を卒業するまでお隣に住んでいた、言わばお兄ちゃん。


心配そうに私の顔を覗き込む総人くんに、止めなきゃと思っているのに涙は止まる事はなくて、昔と変わらず優しい優しい総人くんに涙が出てくる。


何を聞いても涙を流すだけの私に総人くんは。





「俺の家、そこだから。落ち着くまで居なよ」





と私の手を引いた。





――――――――

―――――

――





「今、飲み物用意するから待ってて。りんは何がいい?」

「なんでもいい…」

「じゃ、ココアでもいれるよ。りんホットココア好きでしょ」



< 7 / 19 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop