キツく抱き竦めて



総人くんが住むマンションに連れてきてもらい、座った頃には私の涙は止まっていた。


少し冷静になってみると…


総人くんの前であんなに泣くなんて小さかった時と全然変わってなくて恥ずかしくなった。


昔はお母さんに怒られた私を総人くんはよく慰めてくれたんだっけ。





「りん」

「ありがとう」





総人くんが帰ってきて私の前にホットココアの入ったマグカップを置くと、私と向かい合わせになるようにテーブルを挟んで座った。





「少しは落ち着いた?」

「うん…、なんかごめんね」

「謝らなくてもいいよ。りんが泣いてるのに無視出来るわけないし」





そうだね。


やっぱり総人くんの優しさは何にも変わっていない。


昔と何も変わってない。



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