愛おしいって気持ち【短編】
愛しい
「好きとかよくわかんない。」
親友の優華にそう言うと決まって彼女はこう言う。
「はいはい。あんたには黒澤がいるでしょ?」
その言葉は私を混乱させる。
口では違うよって言ってても、心の中は黒澤のことばっかりで。
黒澤絢人(くろさわあやと)。
彼は私の男友達の中でも特別仲がよい。
明るい性格の私は割といろんな人と仲良くなれるタイプ。
その中で特別な存在なのが黒澤だ。
顔は…まぁ、普通にカッコいい方。
性格は…んー、結構、意地悪だけど明るくて話しやすいと思う。
運動もまぁまぁできて、私と同じぐらい頭もいい黒澤。
完璧ではないけど、現実的にそんなもんだと思う。
現に普通に告られてるみたいだし。
だけど、告られている現場を見ても、私は嫉妬みたいな感情なんてない。
ふーん。からかってやろ~!とかあの子かわいいから付き合うでしょ!とか。
普通に友達レベルの感情。