愛おしいって気持ち【短編】





「………!……ーい!おーい!起きなー!」













ビックリして急いで顔を上げる私。












「ふっ、藤野さん!?お、お、おはようございます。」














「おーはーよ!どしたの?黒澤と駒野も残ってんじゃない!なんかトラブった?」












ぱっと周りを見回すけど会社にいるのは私と黒澤と駒野くんだけ。












「あー、まぁ。って!私、髪ヤバくないですかね!?服…替えあったかなー!?」












「駒野がやらかしたかぁ。うん、やばいわよ?ライオンみたい…あんたデスクで寝たのにどうしてそうなるのよ。替え、貸してあげようか?出張のときの残ってんのよ。」












さすが藤野さんだ。












「ライオン!?!?やだー!黒澤さん起きて…ない!よし!!貸してください!着替えてきます!」












すごいスピードで化粧室に行き化粧をし直す。












「げっ、昨日から化粧したまんま。やだ~!髪の毛もやばいわ、こりゃ。」











着替えて、いつものバッチリメイクより控えめなメイクをして髪の毛はどうしようもないので束ねてみる。





「よしっ、いつもよりはあれだけど、まぁ立派なもんよね!!」














顔をパンッと叩いて眠気を消す。
げっ、ファンデが手に付いちゃった。











まぁそんなこんなあって、自分のデスクにようやく戻ると、黒澤は…黒澤さんは起きていた。













「お、はようございます!黒澤さん!」

     










「ん…。ふわぁー。今何時?」











「七時過ぎぐらいです!」














ここにはぐーすか寝てる駒野君しかいない。



あれ?
藤野さんはどこ…って今日も出張だったっけ?




デスクの上にはメモがあった。













《じゃあね!服はいつでもいいから!!長野、行ってきます!》





長野出張…かぁ。
寒そうだなー!まだ秋だけど!!






なんて考えている間に駒野君が起きていつも一番乗りの課長が来た。











「今日も一番……なっ、駒野ぉ!?黒澤まで!なんかあったのか!?」


  








おーい、課長。
私のことは無視ですか?

ま、いいんだけど!











「あっ、えっ「いえ、何も。寝てしまっただけなので……」














ビックリして目を見開く。
え?隠すの?
昨日の影響が今日でたらどうするつもりなの?










「そうか。いーんだ。いーんだ。仕事熱心なのはいいことだ!はーっはっはっはー。」











馬鹿みたいな高笑いをしてデスクにつく課長。


きっと黒澤さん以外の人だったら絶対怒られてる。だけどこれまでの行いのよい黒澤さんは信頼されてるからなぁ。






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