愛おしいって気持ち【短編】
「おじゃましまーす。」
最近引っ越したばかりという絢人の家は少し一人暮らしにしては広かった。
「こ、こんないい部屋買ってたんだね。知らなかった!一言教えてくれればいいのにー」
お洒落なところは相変わらずだなー。
シンプルで、でもなんか生活感のない感じ。
「いや、言うことでもないかなって思って。」
「えー!教えてよー!」
明るい雰囲気になったところで私は探検する。
「わわっ、部屋が三つもある!って一部屋しか使ってないじゃん!もったいない!台所綺麗だね~。床暖房だし、もうここ何!?最高なんですけど!家賃いくら??」
「買ったって言ったじゃん。んと、5千万ぐらいかな。結構安いだろ?」
安いけど…私にはそんなお金ないなー。
「風呂、入ってくれば?」
「あ、いいの?先に「うん。俺、飯作っとくから。」
悪いねーなんていいながらお風呂にゆっくり入る私。
「いい香りー!あっ、オムライスだぁー!」
トロトロの卵。
プロ顔負けのオムライスにすぐスプーンをいれバクバク食べる。
「うーまいっ!やっぱ、絢人はなんでもできちゃうなぁ~!ちょっと悔しいー!」
「よかった。…って悔しがるなよ。俺に勝てるわけねーだろ?」
久しぶりな絢人の表情にドキッとする。
もう、なんでそんなにいちいちかっこいいのかなぁー!?
幼さの残る表情に安心しながらかなり早く食べ終わる。
「ふぅー、食った食ったぁー!絢人、お風呂入ってきなよ!私洗い物しとくからさ!」
「じじくせっ、はいはいどーも。」
なんか今日はいい日だなぁ!
会社とは全然違う絢人もみれたし。
幸せもんだー!
「ふー。洗い物ありがと。」
10分くらいで出てきた絢人。
「うん…。」
なんか!なんか物凄い色気なんですけど!
なんでか知らないけど妙に照れてしまう。
あっちも照れてるみたいで、なんだか変な感じの空気が流れて。
「あ、布団ない。俺、ソファーで寝るから「えぇ?風邪引いちゃうよ!私がソファーでいいから!全然大丈夫だよ!?」
「んー、じゃあ……一緒に寝るか。」
急にバクバク心臓がなって緊張する。
一緒に寝るって、やっぱ、その、えっと、そういうこと!?
下着…持っててよかった。
奇跡的に服は一式持っている。
「うん…」