マジ恋
束縛
佐藤さんとのメールは続く




すると佐藤さんが




『ちょっと相談のってくれる?』




『えぇよどうしたん?』




俺はなんのことだかさっぱりわからず彼女の相談を引き受けた




『彼氏のことやねんけどな』




『うん。何?』




内心そんな相談俺なんかにするなよって思った




『もともと別にそんな好きじゃなかってんけど向こうがやたら迫ってくるから仕方なくOKしてもてんよ』




ん?もしかして佐藤さんって押しに弱いん?と思いながら




『へぇ~そうなんや』




『でも付き合うとやたら束縛しぃでなんか嬉しいねんけど迷惑っていうかめんどくさくってさぁ』




んじゃ別れたらえぇやん




なんて言えるわけなく




『うーんでもそれは彼氏さんが佐藤さんのこと好きな証拠ちゃう?』




何俺は彼氏の肩もってんねん




別れさすチャンスやのに何しとんねん俺



そう思っていても俺はそれを佐藤さんに打ち明けることができずメールでは真逆のことを打っていた



ある日帰りの途中で俺はいやなものを見てしまった




楽しそうに横断歩道を渡る女の子よく見ると佐藤さんだった



ってことは……
近くにいる自転車を押してる男は……




俺はその場が、その場の光景が嫌になって必死に自転車のペダルをこいだ……




その場から消えてしまいたくなって必死にこいだ……




帰って家で忘れようとすると携帯のランプが点滅してる……



開いて見てみるとメールだ……




相手は佐藤さん。




俺はまたあの光景を思い出してメールを返せなかった…




俺はその日一人枕に涙の跡を残して眠ってしまった。
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