サ ク ラ ブ
「…へー。んでその子可愛いの?」
「あーまぁ、可愛いかったんじゃね?」
俺の一言に愁の目がキラキラと輝く。
あーそう言えばこいつ彼女と別れたんだった。
「あ、そういえば湊、さなちゃんに連絡してないんだってー?」
さな、その名前は間違いなく今の俺の彼女の名前だった。
「連絡してないっていうか、連絡来てないし」
「お前からしてやれよー。めっちゃ落ちてるメール俺に来たよ?」
きっと俺はさなのことがあまり好きじゃない。
付き合おうと言われて 嫌いじゃないから付き合った。
そういうところは俺の悪い所の一つだ。
来るもの拒まず、去るもの追わず…自分でも思うけど、あまりよろしくない恋愛感。
「…そのうちしとく。」
「そのうちとか…さなちゃん可愛そ」
愁がそう言いながら、ポケットの中に手を突っ込んだ。