サ ク ラ ブ



気付けば俺はその後ろ姿を追いかけて、
混雑する人の群れを縫うように走る。



人のざわめきなんて嘘のように聞こえず、
感じるのは自分の息遣いと、
感じたこともないような胸の鼓動。



俺が、彼女を見間違えるわけない。



あんなに毎日思い出していた人を忘れるわけない。



「ふじ、さくっ!」



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