サ ク ラ ブ


後ろから腕を掴んだら、後ろ姿でもわかるぐらい肩をびくつかせた彼女。


でも、


一番驚いたのは俺かもしれない。



やっと捕まえた彼女の腕は、
あの頃よりずっと、ずっと細くて、小さかった。



「…九条、くん…」


彼女が俺を見て信じられないという顔をする。



やっぱり彼女は、


俺が忘れられない女(ひと)だった。



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