君とひとつ屋根の下で



 「こんにちはっ、外崎先生っ」






 門をくぐり、すぐに先生にぺこりと頭を下げた。






 「珠里ちゃん、優愛ちゃん、拗ねてるよ」






 先生の報告を聞いて、小さくため息をつきながら笑顔で頷いた。






 「ですよね。もう皆お迎え来てるんですもんね」






 周りは、園児と、お迎えに来たお母さん方であふれていた。






 「優愛ちゃん、お迎え来たよ」






 外崎先生が、優愛を呼ぶ。



 すると、バタバタッ、と、走ってくる足音が聞こえてきた。






 「りーちゃんっ」






 ………泣いてるし。



 そこに立っているのは、目に涙を浮かべてこっちを見ている愛する妹、優愛。






 「ごめんね、遅くなっちゃって」






 優愛の頭を撫でながら言うと、優愛はわたしの腕の中で何度も何度も頷いた。



 


 「りーちゃん~」 






 優愛は昔から、珠里のしゅ、を発音することが出来なくて、りーちゃん、りーちゃんと呼んでいた。



 本当にかわいいな、と思う。



 優愛の小さな手を握り、優しく笑顔で声をかけた。






 「優愛、帰ろう」
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