きみは金色
どうでもいいことは、教科書にたくさんつまってて。
そんなどうでもいいことを、読み上げて、覚えさせられて、教えられる。
それが、学生生活ってもんだったりする。
でも本当に知りたいことは、だれも教えてくれなかったりするんだ。
おれが今、1番知りたいこと。
…正しいオツキアイの進め方って、どんなんですか。
*
「では今日は、ここまでにします」
先生の、授業終了の言葉。
6時間目の終わりを告げるチャイムが鳴って、数秒後。
誰よりも早く机を片付けて、荷物をカバンに詰めて、立ち上がって。
「…市ノ瀬っ」
おれは、左ななめ前に光る黒髪に向かって、声をかけていた。
白く小さな顔が、おれの方に振り返る。
「ヒュウッ!」
「ヒューウッ!!」
「よっ!レオくーん!!」
その市ノ瀬の返事よりも先に、教室内に冷やかしの声がいくつも上がった。