きみは金色
黙っていると、ジャリ、ジャリ、と靴底が石ころを踏みつける音が、いつもより目立って聞こえる。
…市ノ瀬って、小さいよな。
改めて、そんなことも思った。
並んでみると、おれと市ノ瀬には結構な身長差があった。
おれが178センチだから、だいたい150足らずくらいだろうか。簡単に、頭のてっぺんが見下ろせる。
市ノ瀬のつむじは、真ん中より少し右寄りだった。
そこから伸びる市ノ瀬の髪の毛は、ツルツルという表現がまさに似合っていて。
染めたことがないからだろうか。
天使の輪っか、みたいなものが、黒い髪の毛に浮かんでいる。
ストレートパーマを当てたのとはまた違う、自然なストレート。
しっかりと根本から結ばれる髪は、少し不自由そうな印象だ。
「…市ノ瀬、中学ん時から髪型おさげ?」