きみは金色
ふと、疑問に思ったことを尋ねてみる。
おれを見上げた市ノ瀬の白い顔に、光が差した。
「…えっ、うん。そうだよ」
「ふーん…」
「…どうして?」
「いや、たまには下ろしたらいいのにって思って。だって髪、すげーキレー……」
無意識のうちに、手を伸ばしていた。
触れる直前で止まる。
ハッとした。
市ノ瀬の目が、ものすごく大きく、見開かれていたから。
「……あ…」
おれの目も、デカくなる。
まんまるい形同士で、目が合う。
さらにそろって、互いに顔を赤くして。
おれたちはあわてて、目線をそらした。
「……ごめん」
「う、ううん!ごめんね」
「や……なんか…うん、ごめん」
…なんで謝りあってんだ、おれら。