きみは金色





「うーわーっ、このメンバーかよ〜」

「キャー!一緒っ!!よろしく~!!」



2年生になって、最初の登校日のことだ。


新しいクラスが発表されたせいで、校舎内はいつもより活気に満ちあふれていた。



みんな、すごくワクワクしていたんだと思う。



今から広がっていく、違った環境。更新される友達。


気になる人と、一緒になれているかな。


かっこいい子、いるかな。担任は、だれかな。



そんなフワフワした気持ちが伝わってくるようだった。



その光景はすごく華やいでいて、鮮やかで。


そんな中で、わたしは1人。


だれと手を取り合うこともなく、貼り出された紙を見上げていた。



2年3組。

そこに、市ノ瀬 真子。


自分の名前を見つけたわたしは、まだざわつくその場を離れて、ふぅ、と息を吐く。



…2年生も、変わらない日々を過ごせたらいいな。



それが地味なわたしの、とてもちっぽけな目標だった。


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