きみは金色
もう丸1年間通ったというのに、わたしはまだ、この高校の雰囲気に慣れることができていなかった。
世間一般で、不良。そう呼ばれる生徒の割合が多い、この高校。
もしかしたら、馴染むつもりもなかったのかもしれない。
わたしにとって、この高校生活は『失敗』で与えられた3年間にしか思えなかったから。
中学3年のとき。受験に、失敗した。
第1志望の試験がうまくいかなかったから、仕方なく通うことになったこの場所。
魅力なんて、見出せなかった。
話し声も、その内容も、笑い声も。わたしにとっては、元気が良すぎて、勢いが良すぎて、未知のものだった。
関わらない。できるだけ、静かに。平穏に。
目立たないまま、勉強だけ頑張って、卒業する。
それが、入学してすぐ、わたしが自分の中で決めたルールだった。