きみは金色

自分から出たのは、とてもホッとした声だった。


実際、すごく安心していた。彼の姿を目にしたら。


眠そうなレオくんは幼く見えて、なんだか子どものライオンみたいだ。



「レオくんそこ、わたしの机…」

「…ん?あー、借りた。今日、こっちの気分」

「……ふふ、レオくん、変なの」



そう言って笑うと、レオくんは机から顔を上げて、軽く口をとがらせる。



「待っててやったのにー…」

「…うん。ごめんね、ありがとう」



キラキラ、金色の髪の下。

レオくんはゆるく笑って、



「……帰ろ、真子」



名前を呼んで、わたしの手を引く。


ちょっと寝ていたのかな。手が、わたしよりあたたかい。


ポカポカして、ゴツゴツして。そんな大きな手のひらに、包まれて。



…すごいなぁ、って。


ふと、思ってしまった。


< 203 / 380 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop