きみは金色
レオくんが、こんな風に、自然にわたしの手をとること。
わたしの面談が終わるのを、教室で待ってくれること。
当たり前に、一緒に帰るようになったこと。
あの『飯田くん』が、わたしを好きだと思ってくれていること。すごいなぁ、全部。
本当に、すごい。
「…レオくん」
「んー?」
「もうすぐ、新学年だね」
だって、2年生になったばかりの時は、こんな風になるなんて、微塵も想像できなかったのに。
「…3年生になっても、よろしくね」
ギュッと、手を握る。
背の高いレオくんを見上げて言うと、レオくんは少し口元をゆるめて、答えた。
「…おー」
…わたしね、知ってる。
となりにいるうちに、気づいたんだ。
レオくんは照れているとき、くちびるの右側の位置がちょっとだけ、高くなるんだよ。
照れる気持ちを隠そうとする、レオくんのことが好き。
隠そうとして、隠せてない、レオくんが好きだ。