きみは金色

レオくんが、こんな風に、自然にわたしの手をとること。


わたしの面談が終わるのを、教室で待ってくれること。


当たり前に、一緒に帰るようになったこと。



あの『飯田くん』が、わたしを好きだと思ってくれていること。すごいなぁ、全部。


本当に、すごい。



「…レオくん」

「んー?」

「もうすぐ、新学年だね」



だって、2年生になったばかりの時は、こんな風になるなんて、微塵も想像できなかったのに。



「…3年生になっても、よろしくね」



ギュッと、手を握る。


背の高いレオくんを見上げて言うと、レオくんは少し口元をゆるめて、答えた。



「…おー」



…わたしね、知ってる。


となりにいるうちに、気づいたんだ。


レオくんは照れているとき、くちびるの右側の位置がちょっとだけ、高くなるんだよ。


照れる気持ちを隠そうとする、レオくんのことが好き。


隠そうとして、隠せてない、レオくんが好きだ。


< 204 / 380 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop