きみは金色
たとえば、2人でゲタ箱を出るとき。
足並をそろえて、校門を抜けるとき。
こんな風に一緒に帰るのは、もう何度目になるんだろう。
そう思うのと同時に、あと何回、こうやってとなりに並べるんだろう。
…そんなさみしいことを、ふいに考えてしまうようになった。
なんでだろ。今までこんなことなかったのにな。
高3っていう最高学年になった実感が、やっと湧いてきたからなんだろうか。
今さら実感って…
…もう4月をとっくに通り越して、7月になるんだけど。
*
「レオくん?」
放課後の、学校からの帰り道。
駅まで歩く道中。
ぼうっと感慨にふけっていたおれの視界に、サラリと流れる黒髪が入り込んできた。
不思議そうに、おれの目をのぞき込む真子。
喉元の高さまでドキリと跳ねた心臓を、なんとか押さえ込む。
「それ、反則……」
「え?」