きみは金色



たとえば、2人でゲタ箱を出るとき。


足並をそろえて、校門を抜けるとき。



こんな風に一緒に帰るのは、もう何度目になるんだろう。


そう思うのと同時に、あと何回、こうやってとなりに並べるんだろう。



…そんなさみしいことを、ふいに考えてしまうようになった。



なんでだろ。今までこんなことなかったのにな。


高3っていう最高学年になった実感が、やっと湧いてきたからなんだろうか。



今さら実感って…



…もう4月をとっくに通り越して、7月になるんだけど。











「レオくん?」



放課後の、学校からの帰り道。

駅まで歩く道中。


ぼうっと感慨にふけっていたおれの視界に、サラリと流れる黒髪が入り込んできた。



不思議そうに、おれの目をのぞき込む真子。


喉元の高さまでドキリと跳ねた心臓を、なんとか押さえ込む。



「それ、反則……」

「え?」


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