きみは金色
いったん出てしまった言葉って、なかったことにはできなくて。
深くえぐるくらい傷つけたり、時には一生、染み付かせてしまったりするんだ。
ノートの落書きとかゲームのデータみたいに、簡単に消せたらいいのに。
そんなバカなことをいくら考えたって、意味ないことくらいわかってるけど。
*
「で、調子はどうだー?」
「死にたいです……」
真子と会ってから、3日が経過したその日。
夏休みなのにも関わらず、おれは制服を着て、わざわざ学校に足を運んでいた。
しかも出向いた場所は、学校内でもとくに居心地の悪いはずの、職員室。
だれ先生の席かは知らないけど、とりあえず空いていた席の机に、顔面を8割以上へばりつかせて座る。
「飯田、お前なぁ……」
そんなおれに、呼び出し張本人のイワコウは、深いため息を漏らした。