きみは金色


「…わざわざ学校に来といて、そのセリフはないだろ」

「夏休みなのに呼び出したのアンタじゃねーか」



即座に言い返したら、スパンッ!!


すかさず丸めた冊子で、頭を殴られる。



「……っ、」

「…おれはなー。勉強初心者のお前が困るだろーと思って、わざわざ、わっざわざ、夏の間にコレやっとけっつー問題を集めてやったんだよ感謝しろ」

「いってぇ…イワコウ加減してよ…」

「ほい、これ持って帰れ」



さっきおれを殴ったばかりの冊子を、無愛想な顔で差し出すイワコウ。



…集めた問題って、これかよ。


丸められたせいでシワ寄ってるじゃねーか。



文句を言いたい気持ちを抑えて、しぶしぶ冊子を受け取る。




今日おれがわざわざ学校に来ることになった理由。



それはイワコウが、『問題集めてやったから取りに来い』なんて電話を、いきなり家にかけてきたからだった。


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