きみは金色

もしかしてこのまま連絡とらないで、気がついたら夏休み終了、みたいなオチじゃないよな?



…いやいや。いやいやいや。


あるよな?連絡。電話、鳴るよな?


つーか、なにすぐあきらめてんだよ。もっかいかけて来いよ、真子。


出るまでかけろよ。せめてメールしてこいよ。会いたいって言ってこいよ。



もっとねばってくれても…っていうか、なんか…なんか……



もうちょい、頑張ろうよ……。




そんな風に絶賛マイナス思考に陥っていた中、昨日家にかかってきた電話。




『あー、飯田?お前、明日時間あるか?』




イワコウのダミ声を聞いて、おれは心の中でツッこんだ。



…待ってんのはムサいオヤジからの連絡じゃないんだよ!!




「ちなみに、だけど。学校来たの、お前だけじゃないぞー」

「……はい?」



電話を通してじゃなく、すぐそばで聞こえたダミ声。


昨日に飛んでいた意識が今日に。人の少ない職員室に、引き戻される。


< 259 / 380 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop