きみは金色
もしかしてこのまま連絡とらないで、気がついたら夏休み終了、みたいなオチじゃないよな?
…いやいや。いやいやいや。
あるよな?連絡。電話、鳴るよな?
つーか、なにすぐあきらめてんだよ。もっかいかけて来いよ、真子。
出るまでかけろよ。せめてメールしてこいよ。会いたいって言ってこいよ。
もっとねばってくれても…っていうか、なんか…なんか……
もうちょい、頑張ろうよ……。
そんな風に絶賛マイナス思考に陥っていた中、昨日家にかかってきた電話。
『あー、飯田?お前、明日時間あるか?』
イワコウのダミ声を聞いて、おれは心の中でツッこんだ。
…待ってんのはムサいオヤジからの連絡じゃないんだよ!!
「ちなみに、だけど。学校来たの、お前だけじゃないぞー」
「……はい?」
電話を通してじゃなく、すぐそばで聞こえたダミ声。
昨日に飛んでいた意識が今日に。人の少ない職員室に、引き戻される。