きみは金色
見つけたのはこっちが先なのに
見つけられた方が手に入れちゃうのは、ものすごく納得いかない。
でもそれが世の中のルールってもんなんだから、ますます納得いかない。
わたしはこんな世界、だいっきらいだ。
こんな世界も、あいつの隣にいる、あの子も。
* ~side 希美
「希美っ!!大ニュースなんだけどっ!!」
「うわっ!?」
夏休み明けの、2学期。最初の登校日のことだ。
久しぶりに足を踏み入れた学校。
教室の近くまで来たところで、あたしは勢いよく友だちに肩をたたかれて、前につんのめりそうになった。
「……なによ」
「いいからいいからっ!早くーっ!!」
…約1ヶ月ちょいぶりに会うってのに、もうちょっと配慮できないわけ?
寝ぼけ頭にその連続攻撃はちょっとビックリなんけど、あたし。
少し不満に思いながら、心臓に悪いしって思いながら。
でもそれよりももっと、ビックリさせられたんだ。