きみは金色

友だちに引っ張られて、教室に入ったとき。そこで見た光景に。



「…………っ、」



たしかに、大ニュースだった。



だって、レオの髪が、真っ黒になっていたんだから。



「ダハハハハハっ!?レオ、なんだよその髪!?」



教室の入り口で、ポカンと口を開けたまま立ち尽くす。


どうやら教室内は、レオの変化の話題でもちきりってかんじだった。


いろんなところから、からかいの声が飛んでいるのが聞こえる。



「黒すぎねー?深海にそよぐノリみたいな色〜」

「勝手に人をそよがせんな」

「あははっ、レオが肉食動物から深海植物に!!」

「うっせ」



楽しそうな声と、レオの不機嫌な声が交互に響く。



「…………」



でも、あたしは違った。


楽しい気分になんか、なれなかった。



驚きのあとに込み上げてきた気持ちは、嫉妬だ。グッとくちびるを噛みしめる。


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